天神ネロモチーフのオリジナル機体『HEAVEN'S RAVEN』製作記録 #ナナシス10thカウントダウン
不壊の"イト"で紡ぎ上げた偶像
HEAVEN'S RAVEN
ロールアウトまでの数か月間を以下に示す
⓪まえがき
この記事を読んでいらっしゃうということは、
ナナシス10周年のカウントダウン真っ最中か、
若しくは10周年を迎えた後ということでしょうか。
https://twitter.com/t7s10th0219
↑から様々な方が、各自の形でナナシスの10周年を祝われていますので、
ぜひご覧になってみてください。
当方ぷろめては、タイトルのとおり「ネロ様をモチーフにしたロボット機体を作りたい!」という夢を、
最高のタイミングで叶えさせてもらえたと思っています。
自分の中に灼きついて、けれども形を持たない『天神ネロの光』を、
今できる一番の形で表現しました。
この製作記録も合わせてお楽しみいただければ幸いです。
①機体のテーマについて考える
人気投票記念の集合絵からイメージを考案することにした。
AXiSではなく天神ネロをモチーフとするために、
着彩に使う色だけでなくポニーテールや金装飾の入ったマントの印象も入れたい。
AXiSのライブ衣装は全員『戦いの衣装』をテーマに据えており(CDに添付していた製作陣インタビューより)、
中でも天神ネロは『武士』をモチーフとしている点から、和のテイストも必要になってくると考えた。
COCYTUSにも描かれる『翼』も当時のネロが求めたものであり、
意匠として使いたいものの、シンプルに機体に翼を生やしてしまうのも避けたい。
あくまで『翼に焦がれ続けた』存在が自分にとってのネロなので、
羽根を全体に散りばめつつも、組み上げた状態でのシルエットに見えるものは別になるように組むことにした。
②八咫烏
上記を題材に機体の雰囲気は固まってきたものの、
パーツの構成を考えるには輪郭がぼやけているように感じ、
テーマの芯となるような要素を追加することにした。
そこで選んだのが『八咫烏』
紫黒色(ネロの髪やジャケ絵の羽根)とも相性が良く、
日ノ本の伝承に出自のある神鳥である点も、コンセプトに自然に繋がると考えて選択した。
また、八咫烏は『太陽』の化身であるとも言われていることから、
EP4.0でネロが魅せた、他者の輝きをかき消す程の凶光とも相性が良く、
「全部灰にする」為の熱を表現するモチーフとしても最適だった。
③機体名、カラープラン
以上の要素を考えた時に、
『HEAVEN'S RAVEN』という機体名が浮かんできた。
AXiSのキラーチューンたるHRにネロの『N』を付け加えた名前でありつつ、
神々の国である高天ヶ原の八咫烏、『鴉=Raven』の意味合いも含められた。
ネロの既存カード群なども参照しつつ、
以下のとおりカラープランを組んだ。
メインカラー:紫黒、墨色(鴉、ネロの髪etc)
サブカラー1:紅色(炎)
サブカラー2:黄金色(ライブ衣装の装飾、漆器の金箔)
アクセントカラー:灰色(燃え尽きた先、ライブ衣装のボトムス)
また、アクセントの灰色については単色ではなく、
ライブ衣装のデザインに合わせて都市迷彩を入れてみることにした。
(この時点では和装、武士のイメージと現代戦のイメージが上手く融和するか若干不安だった)
④機体のアセンブル
勿論、上記のテーマに完全に合致するロボットが有るわけではないため、
市販の色々なプラモデルから部品を取り出してミキシングしていくことになる。
そこで、自社オリジナルのロボット『フレームアームズ』や、
『MSG(モデリングサポートグッズ)』にて商品展開しているコトブキヤ製のプラモを使うことにした。
(というか私は他のプラモを殆ど組んだことが無い)
各パーツの穴径などが統一されているのでミキシングがやりやすく、
また、元々作らずに置いていた在庫も色々とあったので、
イメージに近そうなものを片っ端から組んでみた。
1か月ほどかけて色々と付けたり外したりしながら、
以下のプラモデルにてミキシングを行うことにした。
shop.kotobukiya.co.jp
- シャープハンド1(絶版)
一番目のラピエールについては、以前に七咲ニコルモチーフの機体を組んだ際にもメインで使った機体であり、
ナナシス作中で『ニコルと同じことをする』と言った天神ネロを題材にする今回も、自然と相性が良くなった。
1機体作るのに既存の機体3つと大型ユニット4つ、小型パーツ2つを混ぜることになり、
かなり贅沢な作り方をしたと感じた。
元々ツインテール状のアンテナが付いてるラピエールについては、
後頭部に1本のアンテナが生えるように軽く改造を行った。
(ちなみにバリエーション機のラピエール・ゼファーであれば、余りパーツにポニテにできるものが有ったので、
今思えばこれはやらなくてよかったのかもしれない)
本体の方を仮組した時の様子。
これ以外に武器2種と背面に取り付ける大型ユニットも組んでいたが、
写真を撮るのを忘れたまま次工程に行ってしまった。
⑤下地処理など
今回は全パーツを塗装して、最後に組み上げることになるため、
一部のパーツを後ハメ加工(他のパーツを外さなくても取付けられるように削ったりすること)や、
パーツ同士の接着、ヤスリがけなどを少し行った。
塗装する順番なども考えながら作業していると、
製作開始から大体2か月くらいが経っていた。
塗料は下地になるプラ材の色によってかなり発色が変わるため、
全てを同じ下地塗料で統一した。
サブカラーの赤の発色がくっきり出過ぎると、
仕上がり明るくなってヒロイックな印象になりそうだったので、
今回はパープルにホワイトを少し混ぜた色を下地にした。
⑥塗料の調色
全体の統一感を出すために、持っている塗料を色々混ぜながら今回使うものを調色した。
毎回ここは感覚で調色するので、どこに何を入れたかよく憶えていないが、
マゼンタ(赤紫色)をメインカラーの黒にかなり配分したり、
金色の発色は漆器に使われる金箔のような、
ゴテゴテしない上品な色味が出るように調整したように思う。
⑦塗装
自分はプラモを組む工程で塗装が一番好きなので楽しかったが、
今回はパーツが多かったり、塗分けが細かかったりしたこともあって手間がかかったように思う。
以下にいくつかダイジェストで写真を載せる。
・クリアパーツ
蠟燭の炎のようなグラデーションが欲しかったので、
薄ピンクを下地にレッド、オレンジイエローを吹き付けた。
光に当てると色味の違いが綺麗に出た。
・金色のパーツ
金属光沢色は先に下地を暗くする必要があるので、
先にメインカラーの黒を乗せた上で、何度かゴールドを吹き付けた。
(画像の左が1回吹き、右が2~3回吹いた状態。)
一部のクリアパーツは表面に透過色を吹いておいて、
裏側に金色を乗せることでディテールが見えるようにした。
・塗分け
パーツの一部だけ金色にしたいものについては、
マスキングテープを貼り付けて塗分けた。
パーツの曲面やエッジに合わせてマスキングテープを切ったり貼ったりする作業は毎回根気が要る。
アニメの1クール全部見終わるくらいの時間がかかったが、マステを外した時に綺麗に塗分けできていたので、
やって良かったように思う。
他の塗分けも同様に、マステ貼りが殆どの時間を占める作業だった。
・デカール、スミ入れ
塗分けだけでは表現しきれない複雑な意匠を出すために、
デカール(薄いシールみたいなもの)を貼る作業を行った。
トライバルな炎のデカール
都市迷彩柄のデカール
マステと違って一度貼るとやり直しがきかないのでかなり気を使ったように思う。
普段あまりデカールを貼らないためか、
何度か失敗しながらの作業になったので、
次はもっと上手く貼れるようにしたい。
今回は黒がメインなので数は少なかったが、
一部のパーツの奥まった部分やスジの入った部分に暗めの色を流し込んでスミ入れを行った。
(画像左がスミ入れ前、右がスミ入れ後)
スミ入れ後はパーツのディテールが線に出てパキッとした印象になるので楽しい。
・トップコート前の様子
そんなこんなで全てのパーツで塗装が終わった。
ここまで来ると完成イメージが見えてきて、
毎回感慨深くなる。
頭部のパーツを組んだ状態。
トップコート前なので全体がテカって見えるが、
色味としては思ったとおりのものが出てくれて良かった。
このあとクリアパーツには光沢クリア、
その他は半艶消しクリアを吹き付けて、
発色の調整と表面保護を行った。
⑧完成状態、各部の紹介
本体、背面ユニット、武器のパーツを組み合わせて状態を確認した。
どの色も悪目立ちせず、バランスもちょうどいい具合になってくれた。
天神ネロの要素を多めにしておきたかったので、
アドベント企画用の写真には本体だけのものを使うことにした。
ネロのPSカード絵風にポージング
脚の付け根や腰回りをシンプルに作ったこともあり、
広い可動域で表情が付けやすかった。
槍型の近接武装は、複数のブレードパーツとしても装備可能。
最初は日本刀型の武装も候補にしていたが、
プレイバリューの多いこちらを選択した。
今回一番拘りを込めた円環型のモーターブレード。
背面に配置すれば日輪や後光のような表現になり、
刃を外側に展開して水平に配置すれば火車のようにも見える形になった。
ポージングのアクセントとしても奥行きを出すのに使いやすく、
塗分けなどで多大な時間をかけた甲斐があった。
背面ユニットを装備したフルアーマー状態。
モチーフとした八咫烏が3本脚である点を踏襲し、
テール部の先端を本体の足先と同じ配色にしている。
本体だけだとシャープな印象のある機体だが、
背面ユニット付にすることでマッシブな外観も楽しめる構成となった。
背面ユニットの腕部には前述のモーターブレードを装備可能。
刃を展開した状態は法具の独鈷所やチャクラムのような刺々しいテイスト、
刃を折りたためば盾のような印象を与える近接武装になった。
光の当たり具合によって、クリアパーツのグラデーションに変化が出る点も良かった。
全ての武装を搭載した状態。
かけた分だけの結果が目に見えるのがプラモデルの楽しいところだと毎回思う。
読んでくれた諸兄も、手ごろなキットから是非なにか作ってみてほしい。
当方も多少の心得はあるので、分からないことがあれば忌憚なく質問願う。